米空軍ISR組織の革新 [米空軍]


当該記事→http://www.airforce-magazine.com/MagazineArchive/Pages/2010/June%202010/0610ISR.aspx
記事の中から適当に概要をピックアップ・・・
●米本土カリフォルニア州のBeale空軍基地で、空軍兵士がアフガンの基地から車列を組んで出かける兵士の要望に応え、僅か数分後には経路上の要注意地点の情報を与えている。情報は映像と電波情報を組み合わせたモノである。その後も7時間にわたり車列の兵士に最新の情報を与え続け、IED(簡易仕掛け爆弾)を1箇所で、武器の隠し場所3カ所を発見し、兵士への危害を防止した。
●このような状況は日常的になってきているが、5年前まではこのような状況にはなかった。現在有効に使用されているDCGS(Distributed Common Ground System)も、以前は空軍内の情報を有効に共有する体制にはなっていなかった。

●ハード面でも、僅か10ヶ月でコンセプトから現場展開を成し遂げた、リバティー計画のMC-12Wがある。ライブ映像等をイラクとアフガンの現場にもたらしてくれた功績は大きい。

●AFISRAは複数の下部組織からなっている。それは・・・
480th ISR Wing, at Langley AFB
(現在4100人、今後数年で2200人増計画。全世界の空軍DCGSの管理運営)
70th ISR Wing at Ft. Meade
(空軍唯一の電波情報分析部隊。サイバー戦専門の第24空軍支援の専門部署も設置予定)
NASIC(National Air and Space Intelligence Center)at Wright-Patterson AFB
(人員3000人。画像、映像、公開、人的、国外等々の情報を総合分析。
現場へも進出して生の声を収集するほか、ヒューミント部隊も設立予定)
Air Force Technical Applications Center, at Patrick AFB, Fla
(核関連条約の履行監視、核事案の監視)
●更に480th ISR Wingはエリア別に5つのDGS(Commonを抜いた表記)を保有
Langley (DGS-1)※イラク
Beale(DGS-2)※アフガン
Osan AB, South Korea (DGS-3)※朝鮮半島
Ramstein AB, Germany (DGS-4)※イラン
JB Pearl Harbor-Hickam, Hawaii (DGS-5)※中国
(※はHolylandの独断と偏見による主担当地域の推測)

・DCGSは通常、U-2,MC-12W,MQ-1,MQ-9,RQ-4グローバルホーク及びRQ-170センティネルを使用して任務を行う。
・この480th Wingは、イラクやアフガンの地上部隊に連絡幹部を派遣して現場の要求を吸い上げる。また、陸軍や英国、更には豪州の連絡官がDGSサイトで勤務する。
●空軍ISR部長が語る、将来検討・開発中事項
・AFISRAのメジャーコマンドへの昇格
・研究開発・取得調達分野への情報提供(これまでの開発初期段階だけでなく、全開発取得プロセスを通じて、最新の関連情報を提供し適切な開発取得に反映)

・Gorgon Stareとの名称のWAAS(Wide-Area airbone surveillance)ポッド・システムを開発中で、これは1個のポッドで10個の異なったビデオ映像を提供できる装備である。これにより駐機場、操縦者等々を増やすことなくISR情報を充実させることが出来るだろう。
・強固な防空網が形成されたエリアでの無人機の運用について考えるべき。
・米国防省の中に、各軍種の無人機を統括する部署がない。統合コンセプトも必要。
(以上が記事の概要です。)

また、湾岸戦争の航空作戦計画仕掛け人のお一人であるデプテューラ中将がお元気そうで何よりです。

「DNI候補者を高く評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-07
(400記事記念の特別保存版記事)
「ゲーツ改革のまとめと整理」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「400記事記念 反響大の記事特集」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18
2010-06-21 15:46
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