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米空軍無人機のゆくえ(前編) [米空軍]

batmav.jpgAFA発行AIR FORCE Magazineの12月号に、09年7月に発表された米空軍の無人機将来計画「UAS Flight Plan 2009-2047」の解説とも言える記事「Roadmap for Robotics」が掲載されました。
以前紹介した米空軍HP記事を補足する内容でわかりやすいので2回に分けて概要を紹介します。
本日の前編は、無人機への投資拡大、なじみの薄い小型無人機、急増する無人機運用要員の新養成法です。
なお、以前のブログ記事は「米空軍、無人機の未来を語る」http://blog.so-net.ne.jp/holyland/2009-07-25/ です。

●無人機への投資の急増
ravenrq11.jpgイラクのアルカイダ指導者であったザルカウイを攻撃した際は、発見から攻撃までわずか6分間で行われたが、発見までにはプレデターによる6000時間もの偵察フライトが行われていました。このように継続的で驚異的に粘り強いISRへの要求を満たすことが出来るのが無人機です。

2008年度に米国防省が無人機775機の購入等に当てた約2.5兆円は、無人機に対する1950年代からの累積予算約2.3兆円を上回る額です。2008年購入内訳は、5グローバルホーク、24プレデター、16リーパー、28シャドー、700以上のRAVENです。

●小型無人機の紹介
scaneagle.jpg中型から大型の無人機(プレデター、リーパー、グローバルホーク)は比較的よく知られているが、小型にも注目です。
BATMAV(Battle field air targeting micro air vehicle 写真上)重さ500g、飛行時間40分、行動半径3マイル
RQ-11 Raven写真中 手投げ離陸方式、重さ数kg、上昇限度1.4万フィート、飛行時間90分、行動半径5マイル
Scan Eagle写真下 重さ18kg、飛行時間40分、行動半径3マイル
更に将来は、バイオ化学技術を利用した「ハエ」のような超小型無人機で、サイバー戦、通信中継、信号傍受、攻撃を行い、活動範囲も都市からジャングルや洞窟内部までを想定しています。

●無人機運用要員の新養成法
現役の操縦者や航空運行関係者を無人機に転用するだけでは拡大する需要に対応できないため、2つの新コースを開始しています。
deptumq9.jpg一つは有人機の操縦を経ることなしに、直接無人機の操縦専門家を養成するコース。最初のクラス卒業生8名が卒業済みです。
もう一つは不正規戦専門飛行要員を養成するコース。基礎有人機T-6を経験した後に本コースに移行し、無人機とMC-12等有人機の両方を操縦する経歴管理を行うコースです。

無人機のセンサー運用に関する部門には、写真分析や飛行関連以外からも広く人材を集めて養成する職域が設けられました。これらの結果、2010年までには、1.5万人が無人機の操縦、センサー運用、センサー情報管理、整備等の職務に従事することになる予定です。

本日はここまでとさせていただきます。明日の後編では、無人機の任務拡大と無人機運用の抱える課題について記事の概要を紹介します。

(付録)「QDRから日本は何を読みとるべきか」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07

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