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米軍は中国に無人爆撃機で対応か [ゲーツ前国防長官]

11日付産経新聞等が報じた「三沢や嘉手納からの米空軍戦闘機削減・移転構想」の「うわさ」に関し、種々の見方があるようですが、ゲーツ国防長官による過去の関連発言からの視点も必要だと考え、紹介します。ご参考http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-17

090916-D-7203C-003b.jpg9月16日、米空軍協会におけるスピーチでゲーツ長官は・・
「中国のような軍備増強している国を考える際、対称的な挑戦、つまり戦闘機対戦闘機や艦艇対艦艇のような挑戦を米国が懸念する必要はそれ程ないだろう。しかし、彼らが我々の機動を妨げ選択肢を狭める能力には懸念をもつべきであろう。彼らのサイバー戦、対衛星・対空・対艦兵器、弾道ミサイルへの投資は、米軍の主要なプロジェクション能力と同盟国の支援能力を脅かす。特に前線海外基地と空母機動部隊に対して顕著である。またそれらへの投資は、足の短い戦闘機の有効性を殺ぎ、どのような形であれ遠方攻撃能力の重要性を増す。」と述べています。

同様の表現は繰り返し行われており、本年1月・2月号のフォーリンアフェアーズ誌掲載の論文で同長官は「中国の投資に対応して、米国は、見通し線外からの攻撃力やBMD配備に重点を置き、また短距離システムから次世代爆撃機のような長距離システムへのシフトを求められるだろう」と論じています

空軍協会でのスピーチでは、直前で無人機の登場を「海軍における空母の出現」に例えて期待感を示し、直後に次期長距離爆撃機に触れていることから、中国に対する戦力として、無人機の可能性を含む長距離爆撃機や潜水艦発射巡航ミサイルを想定しているのかもしれません
次期爆撃機は2010年度予算案で、技術やニーズを踏まえかつ国家の戦略的要求をQDRや核態勢見直し等を通じて見極めてから次の段階に進む、として保留した状況にあります。

この背景には、ゲーツ長官が「繰り返してはならないのは最近の有人爆撃機での出来事である。B-2爆撃機は開発プロセスで経費が膨らみ価格が高騰し、予定数の1/6である20機しか調達できなかった」(空軍協会スピーチ)と表現する悪しき前例があります。

50cartwright.JPGこの次期爆撃機ですが、ゲーツ長官は「有人か無人か、又はその組み合わせになろうが・・計画数が配備されなければならない」とし、カートライト統合参謀副議長は「次期爆撃機を考えるなら、我々は数百(hundereds of them)必要だ」と述べるなど、どのような姿になるのか注目されるところです。

schhw.jpg勿論、シュワルツ空軍参謀総長も、「QDRと核態勢見直し(NPR)関連で「長距離攻撃力」ほど重要なものはない」と述べているところ、この辺りに関しQDRで何が飛び出すかは余談の許さないところです


(付録)QDR:対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定
   → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05

「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09

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